見積の金額は、どこまでをシステムが計算し、どこからを人が計算しているでしょうか。当社(開発元の株式会社小島ラベル印刷)の見積は、以前、まさにその境目にありました。この記事では、その境目をなくすために当社が何を決め、何をして、見積の自動計算でどう変わったかを順に書きます。
システムが計算できるのは単純な見積だけ。複雑になると人の手計算に頼る
以前のシステムにも、見積機能はありました。使えなかったわけではありません。ただ、システムが計算できるのは単純な内容に限られていました。
受注生産の見積は、条件によって金額の組み立てそのものが変わります。素材が違えば単価が変わり、加工が加われば追加料金が乗り、どの機械で作るかによって工数も違ってきます。条件がひとつ増えるたびに足す項目や掛ける項目が増えていくため、複雑な見積ほど、システムの計算だけでは収まらなくなります。
当社でも、素材や加工の違い、使う機械、工数によって金額の組み立てが変わる見積になると、手計算が必要になることがありました。システムは入力された数字を受け取る場所にとどまり、金額を決める計算の中心は人の手元に移る。複雑な見積ほど、その傾向が強くなります。
手計算が入ると、金額の入力欄まで営業ごとの自己流になる
手計算が入ると、もうひとつ困りごとが出てきます。金額を入力する欄の使い方です。
当社では、この金額の入力欄の使い方が営業によってバラバラで、いわば自己流でした。手計算の結果を入れる欄や入れ方が決まっていなければ、同じ内容の見積でも、人によって入力が分かれます。そうなると、あとから見積を見返したとき、その金額がどういう組み立てで出たのかを読み取るのに、作った本人の頭の中を借りることになりかねません。
手計算の負担と、入力のばらつき。二つの困りごとは別々に見えて、金額の組み立てがシステムの外に出ているという点では同じでした。御社の見積書は、誰が作っても同じ組み立てで金額が出る形になっているでしょうか。
素材・加工・工数・機械まで項目を細かく分け、計算をロジックに組む
当社が決めたのは、手計算をなくすために、計算の材料をシステムの中に入れることでした。
まず、見積に使う項目を細かく増やしました。登録できる素材、加工、工数、それによる追加料金、使用する機械の選定、別途費用、営業雑費です。金額の組み立てに関わる要素を、ひとつずつ項目として登録できるようにしたことになります。
項目が揃えば、次に計算の手順を決められます。その項目をもとにロジックを組み、金額が自動で計算されるようにしました。素材や加工、工数、使う機械といった項目の組み合わせから、金額が組み上がる形です。人が頭の中で組み立てていた作業を、項目の登録と計算ロジックに置き換えたと言えます。
計算を自動化するには、その材料が項目として登録されている必要があります。項目を細かく分けることは、そのための土台になります。
見積1件が体感30分前後から5分前後に。手計算の間違いもなくなる
結果として、見積1件にかかる時間は、体感で30分前後から5分前後になりました。見積の内容によって時間は変わりますが、手計算に取られていた時間が抜けたことが、この差の大きな部分だと考えています。
変わったのは時間だけではありません。見積のスピードと精度が上がり、手計算の間違いがなくなりました。金額の入力欄も、営業ごとの自己流から統一されました。誰が作っても同じ項目から同じ組み立てで金額が出るので、見積の見方が揃います。お客様への見積提出も早くなりました。
現在の見積の仕組みは、見積管理で紹介しています。
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